発達障害についてDevelopmental Disorder

発達障害の種類

1.自閉スペクトラム症

自閉スペクトラム症(ASD)は、対人コミュニケーションの障害と、行動・興味・活動性の狭い限定/反復的な行動様式を中核とする、主要な神経発達症の1つです。 また、ASD単独の問題ということは少なく約70-80%に併存症を認めます。
注意欠如多動症(ADHD)、発達性協調運動症 (DCD)、限局性学習症 (学習障害:SLD)、社交不安、易刺激性などが、その代表的な併存疾患です。

ASDは発達軌跡の連続性と多様性が特徴で、その「可塑性」にもとづき早期発見と介入が重要です。早期介入は、成人後の社会生活に影響があることが明らかになっています。

2.注意欠如・多動症

注意欠如・多動症(ADHD)は、不注意、多動、衝動性を行動特性とする神経発達症の1つです。多くは幼児期早期に発現し長く持続します。不注意は遺るものの、学童期になると落ち着く子どもが多く、診断の機会を逃す場合もあります。

とにかく活発で人見知りが少ない一方、多動性と衝動性は親の怒りと力の行使(または諦め)を誘発し、児のさらなる不適応行動を生起させます。 ADHDは遺伝率が高い(約70%)ことが知られており、不注意特性は遺るため、しばしば読み間違いや書き間違い、反復練習を嫌い漢字や英単語の書字障害が見られます。

治療は、環境調整やペアレントトレーニング、ABAなど非薬物的療法と、薬物療法が両輪となっています。薬物療法として徐放性メチルフェニデート、アトモキセチン、グアンファシン、リスデキサンフェタミンメシル酸塩の4剤が承認されています。

3.限局性学習症(学習障害)

限局性学習症(特異的学習障害・学習障害・LD)とは、知的能力や環境要因では説明できない、読み・書き・計算といった「人工的な技能」の障害を指します。

DHDの30-40%, ASDの30%, 発達性協調運動障害の50%に併存し、音読の困難、読んでいる本の意味を理解できない、書字の困難、数学的推論の困難などがみられます。支援として技能向上を目的とした訓練もありますが、基礎特性(ASD,ADHDなど)のため合理的配慮が主流となります。書字困難には書写しの代わりに写真撮影やプリント配布、パソコンやタブレットなどのICT活用などが必要です。

4.発達性協調運動障害

協調とは「走る」「投げる」「ジャンプする」などの粗大運動、手先の作業や書字などの微細運動、ボールのキャッチなどの「手と目の協調運動」、姿勢を保つ「姿勢保持」といった脳機能の1つで、体育やスポーツに限らず、ボタン、箸、定規、リコーダー、自転車、縄跳び、正座、体育座り、人を避けるなど日常生活全てが、協調運動を基に行われています。

一般に「不器用」と言われているこの問題は、ADHDの30-50%,限局性学習症の50%、ASDの80%に併存します。姿勢保持の困難と不器用さは、運動全般に対する自己肯定感の低下、エネルギー代謝の低下から、肥満症や怠学、いじめと密接に関係します。 書字では筆圧が極端に強く(または弱く)、書くスペースからはみ出す(または非常に小さく書く)、どこからスタートしどうペンを運ぶかバランスを考えることが苦手になります。

国際的にはDCDと診断された子どもは、全て介入を受けるべきとされており、治療にはからだをつくる身体機能指向型アプローチと、活動指向・参加指向型アプローチがあります。

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