花粉症の新しい治療Hay Fever
抗IgE抗体ゾレアによる治療
スギ花粉症への新しい治療方法
スギ花粉症の患者さまへ、2月~5月限定で抗IgE抗体オマリズマブ(ゾレア®)を皮下注射する治療を行うことができるようになりました。 内服薬でも効果が薄く、抗ヒスタミン薬の眠気などにお悩みの患者さまへのより効果の期待できる治療法です。毎年スギ花粉症の時期に大変な思いで過ごされる方は1月中に血液検査を行い、注射が可能か、注射本数、費用などを調べておくことでシーズン中を比較的安心してお過ごしいただくことに繋がります。
ゾレアは、季節性アレルギー性鼻炎に対して効果を発揮するお薬です。 季節性アレルギー性鼻炎(花粉症)では、アレルギー反応による炎症によって、鼻水・鼻閉やくしゃみ、目のかゆみなどの症状が起こります。 ゾレアは花粉のIgEと結合し、IgEとマスト細胞の結合を邪魔することで、アレルギー反応=炎症を、その元から抑えます。(※IgEとは:アレルギー反応が起こる際に重要な役割をもつといわれる物質で、アレルギー体質の患者さんの血液中に多く存在しています)
自費診療としての治療も可能です
自費診療のため検査値や重症度に制限されることなく治療が可能です。
普段は内服薬のみで、花粉症がひどい月だけゾレア注射を追加したり、受験を控えている場合などに使用できます
治療の対象となる方
- 12歳以上
- 季節性アレルギー性鼻炎(花粉症)の薬を使用した
- 上記の治療をおこなったにもかかわらず、効果が不十分の状態であった
- 血清中総IgE濃度が30〜1,500IU/mL、体重が20〜150kgの範囲
- スギ花粉のアレルギー検査(血液検査)の結果が陽性
(血清特異的IgE抗体がクラス3以上クラス3以上・FEIA法で3.5UA/mL以上またはCLEIA法で13.5ルミカウント以上)
特定の背景を有する患者さまへに関する注意
- 合併症・既往歴等のある患者さま
- ラテックス過敏症の既往歴又は可能性のある患者さま(※アレルギー反応を起こすことがあるので注意すること)
- 低出生体重児、新生児、乳児、幼児又は12歳未満の小児を対象とした臨床試験は実施していません
ゾレア治療の副作用
ゾレアの投与で予想される主な副作用は、注射部位の反応です。
国内の臨床試験でもっとも多くみられた副作用は、注射した場所が赤くなったり、腫れたりする症状でした。
注射部位が
- 赤くなる
- かゆくなる
- 腫れる
- 痛い
- 熱くなる
- 硬くなる
- 出血する
下記のような症状が発現した場合は、速やかにご連絡ください
下記のような症状が発現した場合、「アナフィラキシー」の可能性があり、全身にわたって生じるアレルギー反応により症状が急激に発症する可能性があります。ゾレア投与後の注意に関しては、医師や看護師の指導にしたがってください。
- 気管支のけいれん
- 失神
- 全身のかゆみ
- 呼吸困難
- たちくらみ
- くちびる、舌、のどの奥の腫れ
- 血圧低下
- じんましん
ゾレア治療の流れ
- 1.診察検査
- 検査を行い、重症のスギ花粉症であることを確認します。必要に応じてCT検査やファイバースコープ検査などで確認することもあります。
- 2.通常治療
- まずは1週間以上、通常の抗ヒスタミン薬、点鼻ステロイド薬による治療を行い経過を観察いたします。
- 3.血液検査等
- ガイドライン上「重症」もしくは「最重症」であることを確認した後、血液検査にてスギIgE値、総IgE値を測定します。※血液検査の結果は数日を要します。
- 4.投与量の決定
- 採血結果を確認し、ゾレアが投与可能かどうか、投与量と投与間隔を決定いたします。
- 5.ゾレア治療開始
- 患者さまに合わせた投与量・投与間隔に則り治療を開始いたします。体重などを基に2週間また4週間ごとに1~4本の皮下注射を行います。
治療費の目安
自費診療の場合 | 1ヶ月:35,000円 |
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医療費サポート制度について
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