帯状疱疹ワクチン
帯状疱疹とは
帯状疱疹は、水痘(水ぼうそう)と同じウイルスによって生じる皮膚疾患です。水痘が治った後も、ウイルスは長期間体内(神経節)に潜伏しており、ストレスや加齢などによる免疫力の低下に伴ってウイルスが再活性化することで、帯状疱疹を発症します。
日本では80歳までに約3人に1人が帯状疱疹を発症すると推定されています。また合併症として、皮膚症状が治癒した後も、数か月から場合によっては年単位で痛みが持続する「帯状疱疹後神経痛」があります。この神経痛は、日常生活に大きな支障をきたすことがあり、高齢者ほど発症リスクが高くなります。
◯帯状疱疹の症状・特徴
帯状疱疹の症状には個人差がありますが、特徴は体の左右どちらかに生じる痛みやかゆみを伴う発疹です。腕や胸、背中など多くは上半身にみられますが、顔や首などに生じることもあり、3~4週間ほど続きます。
まず皮膚にピリピリとした神経痛のような痛みが起こり、1週間程度で痛みがある部分に赤い斑点がみられるようになります。その後、赤い斑点内に水ぶくれができ、水ぶくれが破れてびらん(ただれた)状態になり、そこがかさぶたになって症状がおさまるという経過をたどります。
帯状疱疹は水痘になったことのない人が、主に水ぶくれに接触することでウイルスをうつしてしまう恐れがあります。水ぶくれがかさぶたとなって完全に乾燥するまでは注意が必要です。
◯帯状疱疹かな?と思ったら
帯状疱疹の疑いがある場合は、速やかに皮膚科や内科を受診しましょう。帯状疱疹は治療法として抗ウイルス薬があり、早期発見・早期治療により重症化を防ぎ症状の持続期間を短縮することが見込め、合併症の予防効果も期待できます。治療を受けないまま放置すると、高熱等の全身状態の悪化や合併症が現れる場合がありますので、もしかしたらと思ったらすぐに医療機関に受診することが大切です。
◯帯状疱疹の予防について
1.免疫力を低下させない
- さまざまな栄養素をバランスよく摂取
- 適度な運動で体力維持
- 十分な睡眠(7~8時間)
- ストレスを上手に解消
免疫力の低下がきっかけとなり、帯状疱疹は発症します。日ごろから体調管理に気をつけることが重要です。
2.予防接種を受ける
ワクチンを接種することで帯状疱疹の発症や、合併症を予防する効果が認められています。50歳以上の方に接種が推奨されています。
◯帯状疱疹ワクチンの種類と比較
シングリックス (不活化ワクチン) | 弱毒生水痘ワクチン 「ビケン」 | |
---|---|---|
ワクチンの種類 | 不活化ワクチン | 生ワクチン |
接種回数 | 2回(2ヶ月以上あけて) | 1回 |
接種方法 | 筋肉内注射 | 皮下注射 |
発症予防効果 | 【50歳以上】97.2% 【70歳以上】97.9% | 【60歳以上】51.3% |
神経痛予防効果 | 88.8% | 66.5% |
長期予防効果 | 10年後でも80%超持続 | 8年目で31.8%まで低下 |
副反応 | 【注射部位の疼痛/発赤/腫脹】 81.5% 【筋肉痛/疲労感】 46.3% 【発熱】 18% | 【水痘様発疹】 1~3%など |
費用(助成適用) | 11,000円/回(×2回) | 4,000円/回(×1回) |
費用(自費) | 23,100円/回(×2回) | 8,030円/回(×1回) |
免疫不全の方への接種 | 可能 | 不可 |
※価格はすべて税込価格です。
◯帯状疱疹発症率(ZOSTER-006試験より)
年齢 | シングリックス群の発症率 | プラセボ群(薬無し)の発症率 | 有効性 |
---|---|---|---|
50歳以上 | 0.081% | 2.83% | 97.2% |
50-59歳 | 0.085% | 2.46% | 96.6% |
60-69歳 | 0.093% | 3.46% | 97.4% |
70歳以上 | 0.058% | 2.78% | 97.9% |
◯副反応について
シングリックスでは、注射部位の痛み、発赤、腫脹が約8割の方に認められますが、数日で軽快します。全身症状として、筋肉痛、疲労感、頭痛、悪寒、発熱などが見られることがあります。弱毒生ワクチンでは、接種後1~3週間後に軽い水痘様の発疹が出ることがあります。
(任意接種)帯状疱疹ワクチン予防接種
<三田市助成対象>
対象年齢 | 50歳以上の方 |
ワクチン種別・費用・接種回数 | こちらのワクチン比較表を御覧ください |
[ 持ち物 ]
- マイナンバーカード、保険証など本人確認書類
- ご記入済みの予診票
三田市帯状疱疹定期予防接種
対象者
- 三田市に住民登録があり、過去に帯状疱疹ワクチンを接種したことがない下記の方
- 令和7年4月1日から令和8年3月31日までの間に65歳、70歳、75歳、80歳、85歳、90歳、95歳、100歳以上となる人
接種期間 | 令和7年10月1日(水)~令和8年1月31日(土) |
接種回数 | 期間中に1回 |
使用ワクチン | ファイザー社製コミナティ |
自己負担金 | 8,000円(税込) ※生活保護を受給している人は、接種時に生活保護受給証明書を医療機関に提出すると接種費用は免除 |
[ 必須書類 ]
- 三田市民であることが確認できるもの(マイナンバーカード、介護保険被保険者証、運転免許証など)
- 接種費用(生活保護世帯の人は生活保護受給証明書)
- 令和7年度帯状疱疹定期予防接種予診票兼接種券
※三田市在住で帯状疱疹定期予防接種の対象となる方、その他地域にお住まいで予防接種補助がある方はクリニックで所定問診票をお渡ししております。
副反応について
接種部位の痛み、発赤、腫脹が最も多く報告されています。また、疲労感、頭痛、筋肉痛、悪寒、発熱などの全身症状が現れることがあります。これらの症状の多くは、接種後数日以内に回復します。稀に、アナフィラキシー(重篤なアレルギー反応)が起こることがあるため、接種後15分間は院内での経過観察をお願いしています。