小児喘息

お子さんの止まらない咳や、「ゼーゼー」という呼吸音。「ただの風邪かな?」と思っていても、ご家族は心配になりますよね。その症状は、空気の通り道に炎症が続く「喘息」のサインかもしれません。

小児喘息は正しい知識で対処すれば、発作を上手にコントロールできる病気です。実際に、約6〜7割のお子さんは成長と共に症状が改善するとも言われています。

ここでは、風邪との見分け方から小さなお子さんでも可能な最近の検査、発作を防ぐ薬の使い方、学校生活での注意点を解説します。

■小児喘息の主な症状と診断方法

夜間や起床時に悪化する咳や「ヒューヒュー」という喘鳴

小児喘息の症状には、いくつか特徴的なサインがあります。

1.しつこい咳が続く

  • 風邪が治ったはずなのに2週間以上咳が続きます。
  • 一度始まると止まりにくい、コンコンという乾いた咳が特徴です。

2.咳が悪化する時間帯がある

  • 特に夜眠っている時に咳をして、(悪化すると)咳で目を覚ましたり、朝起きた時に咳き込みます。
  • これは、体をリラックスさせる神経の働きや、明け方の気温低下が気道を刺激するためです。

3.喘鳴(ぜんめい)が聞こえる

  • 息を吐くときに「ゼーゼー」「ヒューヒュー」という音がします。
  • 気道が炎症でむくんで狭くなり、空気が通る時に笛のように鳴る音です。

4.呼吸が苦しそうに見える

  • ひどい発作になると、肩を上下させて一生懸命息をします。
  • 話すのがつらそうになったりすることもあります。

5.特定の状況で症状が出る

  • 昼食に小麦(うどんやパスタ)を食べてから運動した後、大声で笑ったり泣いたりした時。
  • タバコの煙や冷たい空気を吸った時など。

これらの症状は、いつも出ているわけではありません。良くなったり悪くなったりを繰り返すことが、小児喘息の大きな特徴の一つです。

風邪や気管支炎との見分け方と他のアレルギー疾患との関係

子どもの咳は、風邪や気管支炎でも起こるため、見分けるのは難しいかもしれません。しかし、いくつかのポイントに注目すると、喘息の可能性を考えるきっかけになります。

項目小児喘息風邪・気管支炎
主な原因気道の免疫的炎症ウイルス・細菌感染
どちらもあり得る出ることが多い
咳が続く期間2週間以上続くことがある1〜2週間で治まることが多い
悪化する時間帯夜間や明け方に多い時間帯はあまり関係ない
喘鳴の有無「ゼーゼー」を伴うことがある伴うことは少ない
繰り返すか症状を繰り返す治れば繰り返さない

風邪はウイルスなどが原因ですが、喘息は免疫反応が原因で気道に慢性の「炎症」が起きている状態です。この「繰り返す」という点が、見分けるための最も重要なポイントです。

また、小児喘息は他のアレルギー疾患とも深い関係があります。 アトピー性皮膚炎や食物アレルギー、アレルギー性鼻炎(花粉症)などを持っているお子さまは、喘息を発症しやすい傾向にあります。

乳児期のアトピー性皮膚炎から始まり、幼児期に食物アレルギー、そして学童期に喘息やアレルギー性鼻炎へと、アレルギー疾患が次々現れることを「アレルギーマーチ」と呼びます。

聴診や問診から始まる基本的な診察の流れ

クリニックでは、お子さんの症状を正確に知るために、いくつかのステップで診察を進めていきます。どのようなことをするのか知っておくと、安心して受診できます。

【Step1】詳しい問診(お話を聞く)

まず、保護者の方から症状について詳しくお話をうかがいます。

  • いつから、どんな症状がありますか?
  • 咳やゼーゼーは、どんな時にひどくなりますか?(夜、運動後など)
  • アトピー性皮膚炎など、他のアレルギーはありますか?
  • ご家族に喘息やアレルギーの方はいらっしゃいますか?(体質は遺伝することがあるためです)

【Step2】身体の診察(聴診など)

次にお子さんの体を診察します。特に重要なのが聴診です。 聴診器を胸や背中にあて、呼吸の音を注意深く聴きます。気道が狭くなっている時に聞こえる「ゼーゼー」「ヒューヒュー」という喘鳴の音がないかを確認します。

【Step3】必要な検査の実施

問診や診察で喘息が疑われる場合は、診断をはっきりさせるために次のような検査を行うことがあります。

アレルギー検査
(血液検査など)
何がアレルギーの原因(アレルゲン)になっているか探します
ウィルス検査RSウィルスやインフルエンザ、パラインフルエンザ、ヒトメタニューモ、新型コロナなど、咳の原因となるウィルスを確認します
呼吸機能検査肺の働きや空気の通り道の状態を客観的な数字で評価します

小さな子でも楽にできる呼吸機能検査「オシロメトリー: モストグラフ」

喘息の診断で大切なのが、「呼吸機能検査」です。 しかし、従来の検査(スパイロメトリー)は、お子さんに「思いきり息を吸って、力いっぱい吐き出す」ようお願いする必要がありました。これは小さなお子さんには難しく、うまく検査ができないこともありました。

そこで近年、小さなお子さんでも楽に検査ができる「インパルスオシロメトリー(IOS)」という方法が注目されています。代表的な機器が「モストグラフ」です。

この検査は、お子さまがマウスピースをくわえて普段通りに呼吸しているだけで、空気の通り道(気道)の状態を測定できます。ある研究では、6歳の子どもたちを対象にした調査で、従来の検査よりもIOSの方がはるかに高い成功率(IOS 93% vs 従来法 60%)で測定できたことが報告されています。

この検査では、気道のどの部分がどのくらい狭くなっているのか(呼吸抵抗)を詳しく知ることができます。「呼吸抵抗」とは、空気の通りにくさを示す指標です。

さらに、気管支を広げるお薬(気管支拡張薬)を吸う前と後で、数値がどう変わるかを見ることで、喘息の診断精度を高めることも可能です。

また、最近の研究では、この検査で得られる特定の指標(R5, X5など)が、将来の喘息発作のリスクを予測するのに役立つ可能性も示されています。これは、診断だけでなく、お子さん一人ひとりに合った治療計画を立てる上での重要な情報となります。

IOSは、患者さんの協力が最小限で済むため、特に未就学のお子さんの呼吸機能を評価する上で、非常に有用な検査方法です。

■小児喘息治療の基本となる2種類の薬と正しい使い方

小児喘息の治療では、2種類の薬を正しく使い分けることがとても大切です。

一つは、発作が起きないように普段から備えるための「お守りの薬」。
もう一つは、起きてしまった発作を速やかに鎮めるための「火消しの薬」です。

この2つの薬の役割をしっかり理解して、お子さまの健やかな毎日を支えましょう。

発作を予防する長期管理薬(吸入ステロイド薬)と副作用の知識

長期管理薬は、喘息の根本原因である気道の「炎症」を抑えるお薬です。 気道で起きている「小さな火事」を消し続け、発作という大火事を防ぎます。 症状がないときも毎日コツコツと使い、気道を健康な状態に保つことが目的です。

この治療の中心となるのが「吸入ステロイド薬」です。 「ステロイド」と聞くと、副作用を心配される方もいらっしゃるかもしれません。 しかし、吸入薬は飲み薬と違い、気道に直接届いて作用します。 そのため、全身への影響はごくわずかで、医師の指示通りに使えば安全性が高いです。 成長への影響などを過度に心配する必要は少ないと考えられています。

ただし、薬が直接あたる場所で、次のような副作用が起こることがあります。

声がれ声がかすれたり、出しにくくなったりします
口腔カンジダ症口の中に白いコケのようなカビが生えます

これらの副作用は、吸入後の簡単なケアで十分に予防できます。

  • 吸入の後は必ずうがいをしましょう。
  • うがいが難しい小さなお子さんの場合は、お水やお茶を飲ませてください。

症状が落ち着いても、自己判断で薬をやめないことが何より重要です。 医師の指示に従って治療を続けることが、発作のない穏やかな生活につながります。

苦しい発作を和らげる発作治療薬(気管支拡張薬)の役割

発作治療薬は、急に咳が止まらない時や、呼吸が苦しい時に使うお薬です。 発作でけいれんするように狭くなった気道の筋肉を、速やかに緩める働きがあります。 空気の通り道を広げ、つらい症状を一時的に和らげることが目的です。 この薬はあくまで緊急用であり、毎日使う予防薬とは役割が全く異なります。

この薬を使うのは、次のような発作が起きたときです。

  • 咳が激しく続き、なかなか止まらないとき
  • 息を吐くときに「ゼーゼー、ヒューヒュー」という音が聞こえるとき
  • お子さんが息苦しさを訴えているとき

この発作治療薬(気管支拡張薬)が本当に効いているか、客観的に評価もできます。 特に、小さなお子さんでも楽に検査ができる「インパルスオシロメトリー(IOS): モストグラフ」が役立ちます。

もし、この発作治療薬を使う回数が増えてきたら、注意が必要です。 それは、気道の炎症が十分にコントロールできていないという危険なサインです。 その場合は長期管理薬の見直しが必要になるため、必ずかかりつけ医に相談してください。

吸入器の種類(ネブライザー・pMDI)と子どもが嫌がらないための工夫

喘息の薬は、気道に直接届ける「吸入」で使うのが基本です。 少ない薬の量で高い効果が期待でき、全身への副作用も抑えられます。 お子さんの年齢や状態に合わせて、適切な吸入器を選ぶことが大切です。

吸入器の種類特徴主な対象年齢
ネブライザー薬液を霧状にして、マスクを通して自然な呼吸で吸い込みます。機械が作動する音がします。乳児〜
pMDI(加圧式定量噴霧吸入器)ボタンを押すと薬がスプレー状に出ます。吸うタイミングを合わせる補助器具(スペーサー)と一緒に使うことが多いです。幼児〜

毎日続ける吸入治療ですが、お子さんが嫌がってしまうことも少なくありません。 そんな時は、少しの工夫でスムーズにできるようになるかもしれません。

楽しい雰囲気を作る好きな歌をうたったり、動画を見せたりしながら行いましょう。
特別な道具にする吸入器やスペーサーに好きなキャラクターのシールを貼り、「変身アイテム」や「おまじないの道具」にしてみましょう。
できたらたくさん褒める「上手だね!」「お薬がんばれたね!」という言葉は、お子さんの達成感や自信につながります。
理由を優しく伝える「これをすると咳が楽になるよ」など、お子さんの年齢に合わせて、なぜ吸入が必要なのかを説明してあげましょう。

ご家庭での工夫とともに、正しい吸入方法をクリニックでしっかり指導してもらうことが、治療効果を高める上で非常に重要です。

治療はいつまで?寛解(治るのか)と成人喘息への移行について

「この治療は、一体いつまで続くのだろう?」とご不安に思うのは当然です。 小児喘息の治療ゴールは、症状を完全にゼロにすることだけではありません。 症状を上手にコントロールし、運動や学校生活を制限なく送れるようにすることです。

多くの場合、小児喘息は体の成長とともに症状が軽くなっていきます。 気管支が太く丈夫になることで、刺激の影響を受けにくくなるためです。

寛解(かんかい)

  • 症状が落ち着き、薬を使わなくても発作が起きない状態が続くことです。
  • 一般的に「治った」と表現される状態に近いと言えます。

研究によれば、小児喘息のお子さんの約6〜7割は、思春期までに寛解します。 または、症状が大幅に軽くなると報告されています。

一方で、約3割のお子さんは症状が続いたり、成人後に再発したりします。 これを「成人喘息」への移行と呼びます。 特に、次のような場合は成人喘息へ移行しやすい傾向があると言われています。

  • もともとの喘息症状が重い
  • アトピー性皮膚炎やアレルギー性鼻炎を合併している
  • ご家族に喘息の方がいる

治療をやめるタイミングは、医師が慎重に判断します。 発作が長期間起きていないか、呼吸機能は安定しているかなどを総合的に見ます。 症状がないからと自己判断で薬をやめると、気道の炎症が再び悪化しかねません。 そして、かえって大きな発作につながる危険があるため、絶対にやめましょう。 焦らず根気強く治療を続け、必ず主治医と相談しながらゴールを目指しましょう。

■発作時の対処法と日常生活で気をつけるべきポイント

ここでは、発作が起きてしまった時の対応を解説します。 さらに、普段の生活で心がけたい大切な5つのポイントも具体的にお伝えします。

喘息発作の重症度チェックリストと救急車を呼ぶタイミング

まず大切なのは、保護者の方がパニックにならず、落ち着くことです。 その上で、お子さんの状態を冷静に観察しましょう。

以下のチェックリストを参考に、発作の重症度を見極めてください。 ためらわずに救急車を呼ぶべき危険なサインを知っておきましょう。

状態軽い発作(小発作)中くらいの発作(中発作)重い発作(大発作) 
→すぐに救急車を!
会話普通に話せる言葉が途切れ途切れになる単語しか言えない、話せない
呼吸の様子少し速い程度肩で息をする、苦しそう呼吸が弱々しい
顔色・唇の色普通やや悪い青白い
意識はっきりしている不機嫌、興奮しているぐったりしている
横になれるか横になれる座りたがる、横になれない前かがみになる
食事・水分とることができるとりたがらないとれない

【ためらわずに救急車を呼ぶべきタイミング】 
上記の表で「重い発作」の項目が一つでも当てはまる場合は、救急車を呼んでください。

  • 発作治療薬(気管支拡張薬)を使っても、症状が良くならない
  • むしろ症状が悪化している
  • 意識の状態がおかしい、ぐったりして呼びかけへの反応がにぶい
  • 顔色や唇の色が紫色になっている(チアノーゼ)
  • 呼吸が苦しくて、横になれない
  • 息を吸うときに、のどや胸がペコペコとへこむ(陥没呼吸)

判断に迷った時も、ためらわずに救急車を呼ぶことが大切です。 お子さんの命を守るための、重要な判断です。

ハウスダストやダニなど悪化要因(アレルゲン)の特定と環境整備

喘息発作の多くは、ホコリやダニなどのアレルゲンが原因です。 アレルゲンとは、アレルギーの原因となる物質のことです。 原因を特定し、生活環境から取り除く「環境整備」が、発作予防にとても重要です。
アレルギー検査で原因を特定した上で、ご家庭でできる対策を進めましょう。

【主なアレルゲンと家庭でできる環境整備】

ダニ・ハウスダスト
  • 週に2回以上、掃除機をかけましょう。
  • 1平方メートルあたり20秒以上かけて、ゆっくりと動かすのがコツです。
  • 布製のソファやカーペット、ぬいぐるみは、できるだけ置かないようにしましょう。
  • 布団は週1回以上干すか、布団乾燥機を使い、掃除機をかけましょう。
  • 防ダニ効果のあるシーツや布団カバーの活用もおすすめです。
カビ
  • エアコンのフィルターをこまめに掃除しましょう。
  • 浴室や台所など、湿気が多い場所は換気を徹底してください。
  • 窓の結露は、こまめに拭き取ることが大切です。

ペット(犬、猫など)

  • 室内での飼育は、避けるのが望ましいです。
  • 飼育する場合は、寝室には入れないようにしましょう。
  • こまめにシャンプーをする、排泄物を速やかに処理するなどの配慮が必要です。
花粉
  • 花粉が多く飛ぶ時期は、窓を開けるのを最小限にしましょう。
  • 外出もできるだけ控えるのが賢明です。
  • 帰宅時は、玄関前で衣服についた花粉を払い、すぐに着替えましょう。
  • 空気清浄機を活用するのも有効な手段です。

すべてを完璧に行うのは大変です。 まずはできることから一つずつ、ご家族で協力して始めてみましょう。

運動や部活動を安全に行うための「運動誘発喘息」対策

「喘息だから運動はできない」と、あきらめる必要は全くありません。 適切な対策をとれば、多くのお子さんがお友達と同じように運動を楽しめます。

運動を安全に行うには、普段の喘息コントロールが良好であることが大前提です。 そのためには、定期的にクリニックを受診し、気道の状態を客観的に評価しましょう。 近年、楽に呼吸しながら測定できる「インパルスオシロメトリー(IOS)」が役立っています。 同じ研究で、IOSの検査成功率は93%と非常に高い結果でした。 このように、IOSはスパイロメトリーが難しいお子さんの状態を正確に把握し、運動計画を立てる上で非常に有用です。

【運動誘発喘息の主な対策】

運動前の準備運動急に激しい運動を始めず、10〜15分程度のウォーミングアップを必ず行いましょう。
発作治療薬の予防的な使用運動を始める15〜30分前に、医師の指示に従い発作治療薬(火消し薬)を吸入します。これは発作を未然に防ぐためです。
環境への配慮空気が冷たく乾燥している冬場は、マスクをすると発作が起こりにくくなります。
運動の種類の選択水泳など、温かく湿った環境で行うスポーツは、比較的発作が起こりにくいです。
体調管理風邪気味のときや、喘息の調子が良くないときは、無理は禁物です。
運動を休む勇気も、治療の一部として非常に大切です。

学校・保育園生活(体育・掃除・宿泊行事)での注意点と周囲への伝え方

お子さんが一日の大半を過ごす学校や保育園との情報共有は欠かせません。 先生方に状態を正しく理解してもらい、いざという時に適切な対応をしてもらうことが重要です。 その際、「学校生活管理指導表(アレルギー疾患用)」を活用すると良いでしょう。 情報を整理し、正確に伝えやすくなる、とても便利な書類です。

【先生に伝えておくべきポイント】

診断名「気管支喘息」であることを明確に伝えます。
普段の様子と治療内容どのような薬を毎日使っているかなどを具体的に説明します。
発作のきっかけ運動、天候の変化、ホコリっぽい場所での活動などを伝えます。
発作が起きたときの症状どのような咳が出るか、ゼーゼー言うかなど、具体的な様子を伝えます。
発作時の具体的な対応どの薬を、どう使うか(吸入器の使い方など)。
どのような状態になったら保護者に連絡してほしいか。
どのような状態になったら救急車を呼んでほしいか。
活動の制限体育や掃除などで配慮してほしいことを具体的に伝えます。
宿泊行事への対応事前に養護教諭や担任と、詳しく打ち合わせましょう。
薬の管理方法や夜間の発作時の対応などを確認しておくことが大切です。

お子さん自身が、自分の体のことや薬の使い方を少しずつ理解していくことも、自立への大切な一歩です。

医療費の負担を軽くする公的助成制度(小児慢性特定疾病など)の活用法

小児喘息の治療は長期にわたることが多く、医療費の負担が心配になるかもしれません。 日本では、お子さんが安心して医療を受けられるよう、負担を軽くする公的な制度があります。 これらの制度を上手に活用し、経済的な心配を減らしましょう。

【主に活用できる公的助成制度】

1.小児医療費助成制度(マル乳・マル子医療証など)
  • お住まいの市区町村が実施している制度です。
  • 健康保険証とあわせて窓口に提示すると、自己負担分が助成されます。
  • 対象年齢や助成内容は自治体で異なるため、市区町村の窓口にご確認ください。
2.小児慢性特定疾病医療費助成制度
  • 国の制度で、重症の喘息など、定められた病気のお子さんの医療費を助成します。
  • 認定されると、喘息治療にかかる医療費の自己負担額に上限が設けられます。
  • 申請には専門医による診断書が必要です。
  • 対象となる重症度基準などがあります。
  • お住まいの地域の保健所も相談先です。

■まとめ

小児喘息は、気道の炎症を普段から抑える「予防治療:吸入ステロイド薬」を根気よく続けることが何よりも大切です。そして、発作時の正しい対処法を知り、生活環境を整えることで、発作のリスクは大きく減らせます。

治療のゴールは、運動や学校生活を諦めることではありません。症状を上手にコントロールし、お子さんが毎日を元気に笑顔で過ごせるようにすることです。

自己判断で治療を中断せず、不安なことや気になる症状があれば、一人で抱え込まずにかかりつけ医へ相談してください。

参考文献

  • Ling Y, Si M, Niu Y, Han Y, Xu Y. The predictive value of impulse oscillometry for asthma exacerbations in childhood: A systematic review and meta‐analyses.
  • Meoli A, Dressler M, Blümchen K, Schulze J, Trischler J, Esposito S, Hutter M, Zielen S. Impulse oscillometry bronchodilator response in preschool children.
  • Lundberg B, Melén E, Thunqvist P, Norman M, Hallberg J. Agreement between spirometry and impulse oscillometry for lung function assessment in 6‐year‐old children born extremely preterm and at term.

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