インフルエンザ
急な38度以上の高熱と、立っているのもつらいほどの倦怠感と体の痛み。インフルエンザは風邪とは原因ウイルスが全く異なり、時に命に関わる重い合併症を引き起こす感染症です。特に抵抗力の弱いお子さまや高齢者にとっては、そのリスクは計り知れません。米国の調査では、インフルエンザで亡くなった子どもの実に90%がワクチン未接種だったというデータがあります。この記事では、風邪との違いから、発症後48時間以内が鍵となる治療のタイミング、そして重症化を防ぐための具体的な予防法までを解説します。
■これってインフルエンザ?主な症状と風邪との違い
インフルエンザと風邪は、どちらもウイルスが原因で起こる感染症ですが、原因となるウイルスの種類が全く異なります。そのため、症状の現れ方や重症度に大きな違いが見られます。 ここでは、インフルエンザの主な症状と風邪との違いについて解説します。
38度以上の高熱・関節痛・悪寒
インフルエンザの最大の特徴は、症状が「突然かつ急激に」現れることです。
昨日まで元気に過ごしていたのに、突然38度以上の高熱が出て、立っているのもつらくなるほどの強いだるさや寒気に襲われます。
これは、体内に侵入したインフルエンザウイルスが、わずか1日で100万倍にも急増殖するために起こる体の防御反応です。ウイルスと戦うために体温を上げて免疫機能を活発にしようとする結果、次のような強い全身症状が現れます。
突然の38度以上の高熱 | 体温が急激に上昇し熱っぽくなります。 |
関節の痛み、筋肉の痛み | 体の節々が痛むような感覚があります。 |
強い悪寒、震え | 布団に入っても震えるほどの寒気を感じます。 |
頭痛 | ズキズキと強い頭痛が特徴です。 |
全身の倦怠感 | 鉛のように体が重く、起き上がるのが困難なほどのだるさです。 |
もし、これらの症状が突然まとまって現れた場合は、インフルエンザの可能性を考え、無理せず体を休めることが何よりも大切です。
咳・喉の痛み・鼻水など風邪との症状比較
インフルエンザと風邪は、咳や喉の痛みといった呼吸器の症状が共通しているため、見分けるのが難しいと感じるかもしれません。しかし、症状が現れる順番や強さに注目すると、違いが分かりやすくなります。 風邪は、喉のイガイガや鼻水、くしゃみといった局所的な症状からゆっくりと始まるのが一般的です。
一方でインフルエンザは、先述した高熱や関節痛といった全身症状が先に強く現れ、咳や喉の痛みは少し遅れて出てくる傾向があります。
症状の種類 | インフルエンザ | 普通の風邪 |
---|---|---|
発熱 | 38度以上の高熱が急に出ることが多い | 微熱から38度程度が多く、比較的ゆるやか |
全身症状 | 悪寒、頭痛、関節痛、筋肉痛が強く現れる | 軽いだるさ程度で、強い症状は少ない |
喉の痛み・鼻水 | 高熱などの後から現れることが多い | 初期の症状として現れることが多い |
咳 | 激しい咳が長く続くことがある | 比較的軽い咳の場合が多い |
進行 | 急激に発症し、症状が重い | 比較的ゆっくりと発症し、症状は軽い |
全身に強い症状が出るのがインフルエンザ、喉や鼻の症状が中心なのが風邪、と考えると区別しやすいでしょう。
病院へ行くべきタイミングと診断に必要な検査
「インフルエンザかもしれない」と思ったら、いつ病院へ行けばよいのでしょうか。 適切なタイミングでの受診は、治療をスムーズに進める上で重要です。
特に、インフルエンザの治療薬(抗インフルエンザウイルス薬)は、発症から48時間以内に服用を始めることで効果が期待できます。 この薬はウイルスの増殖を抑える働きがあるため、ウイルスが増える前に使うことがポイントなのです。
当院では、迅速な診断と確実な治療を実現するため、可能な限りPCRによる検査を優先しています。
迅速抗原検査(RIDT)は手軽に10~15分以内で結果を得られる一方で、感度(感染を正しく検出する力)はおおむね10~80%(多くは50~70%)と低めで、発症直後にはウイルス量が少ないことで偽陰性を招くリスクがあります。特異度は高い(約90~95%)ものの、陰性結果を過信すると誤診につながります。
対して、PCR(RT-PCR を含む核酸増幅検査)は感度90〜100%、特異度も非常に高く、インフルエンザ診断のゴールドスタンダードとして国際的に支持されています。さらに、マルチプレックスRT-PCRではさらに高精度(感度・特異度ともに97%以上)の報告もあります。実際、CDCなどのガイドラインでは、入院患者や重症疑いがある場合には、迅速検査ではなくPCRなどの分子検査を用いることが推奨されており、RIDTで陰性でも臨床的に疑いがあればPCRで再検査することが案内されています。
こうしたエビデンスに基づき、当院では迅速性と精度を兼ね備えたPCRによる診断を第一選択とし、より確かな治療開始につなげています。
一方で、呼吸が苦しい、水分が摂れないなど症状が非常につらい場合は、この時間に限らず、できるだけ早く受診してください。
【特に注意】子どもに見られる危険な合併症のサイン
インフルエンザは、ほとんどの場合、安静にしていれば自然に回復しますが、時に重い合併症を引き起こすことがあります。 特に、体力や免疫力が十分でない小さなお子さまや持病をお持ちの方は注意が必要です。
中でも、お子さまの場合は「インフルエンザ脳症(IAE)」という、命に関わることもある非常に重い合併症に気をつけなければなりません。 これは、インフルエンザウイルスへの体の過剰な免疫反応が、脳にダメージを与えてしまう病気です。
米国の専門機関(CDC)の報告によると、インフルエンザが原因で亡くなったお子さんの約9%に、この脳症が見られたとされています。さらに重要なことは、脳症で亡くなったお子さんの半数以上(54%)が、もともと基礎疾患のない健康な子どもだったという点です。 つまり、インフルエンザ脳症は誰にでも起こりうる危険な合併症なのです。
以下のような症状が見られた場合は、インフルエンザ脳症や肺炎などの危険な合併症のサインかもしれません。
危険なサイン・チェックリスト
意識の異常 | 呼びかけに反応しない、視線が合わない、意識がもうろうとしている。 |
けいれん | 白目をむいて手足が突っ張る、ガクガクと震える。 |
異常な言動・行動 | 意味不明なことを話す、突然おびえたり暴れたりする、幻覚が見えているような様子。 |
呼吸の異常 | 呼吸が速い、ゼーゼーしている、肩で息をするなど苦しそうにしている。 |
顔色が悪い | 唇が紫色になる(チアノーゼ)、顔全体が土気色になる。 |
これらの症状は、脳や肺に深刻な異常が起きているサインです。 もし一つでも当てはまる場合は、ためらわずに救急外来を受診してください。早期の診断と治療が命を救うことにつながります。
■インフルエンザの治療法と家庭でできる対処法
治療の基本は、ウイルスと戦う体力をつけるため、しっかり体を休めることです。処方された薬を正しく飲むことはもちろんですが、ご家庭での過ごし方も大切です。ここでは、インフルエンザの治療と、ご家庭ですぐに実践できる対処法を解説します。
抗インフルエンザ薬(タミフル・ゾフルーザ等)の効果と副作用
インフルエンザの治療では、ウイルスの増殖を直接おさえる薬が処方されます。 この「抗インフルエンザ薬」は、体内でウイルスが増えるのをブロックする働きをします。発症から48時間以内に飲み始めると、高い効果が期待できます。 つらい高熱の期間を1日~2日短くしたり、症状を軽くしたりすることが可能です。
特に、重症化しやすいお子さんや高齢の方、持病のある方には重要なお薬です。 米国の小児科学会(AAP)は、インフルエンザで重症化したり合併症を起こしたりしているお子さまには、症状が出てからの時間にかかわらず抗ウイルス薬の使用を推奨しています。
主な抗インフルエンザ薬には、以下のような種類があります。
薬の名前(例) | 種類 | 特徴 |
---|---|---|
タミフル | 飲み薬 | 5日間、1日2回服用します。 |
ゾフルーザ | 飲み薬 | 1回飲むだけで治療が終わります。 |
リレンザ | 吸入薬 | 5日間、1日2回、専用の器具で吸入します。 |
イナビル | 吸入薬 | 1回、専用の器具で吸入するだけで治療が終わります。 |
副作用として、吐き気や腹痛などが出ることがありますが、多くは一時的なものです。 気になる症状があれば、自己判断で服用をやめずに、必ず医師や薬剤師に相談してください。
熱や痛みを和らげる市販薬の選び方と注意点
抗インフルエンザ薬はウイルスそのものに働きかける「原因治療」のお薬です。
一方、高熱や頭痛といったつらい症状を和らげる「対症療法」は市販薬も使用できます。
成分を確認する
- お子さんにも比較的安心して使いやすい成分は「アセトアミノフェン」です。
- 薬局で購入する際は、薬剤師に「インフルエンザかもしれない」と伝えましょう。
インフルエンザの時に避けたい成分
- 一部の解熱鎮痛薬(アスピリン、ジクロフェナクナトリウムなど)は使用できません。
- お子さんが使うと、まれに「ライ症候群」という重い脳の病気を引き起こす可能性があります。
市販薬を使うときの注意点チェックリスト
□ 医師から処方された薬との飲み合わせを薬剤師に確認する。 |
□ 必ず用法・用量を守って使う。 |
□ 薬を使っても症状が改善しない、または悪化する場合はすぐに医療機関に連絡する。 |
食事・水分補給と安静のポイント
インフルエンザから早く回復するためには、「安静」「水分補給」「栄養」が大切です。
1.安静にする
- 熱があるときは、無理に動かず、できるだけ横になって体を休ませましょう。
- 十分な睡眠は、ウイルスと戦うための免疫力を高める上で非常に重要です。
- 回復に専念することが回復への近道です。
2.こまめな水分補給
- 高熱で汗をたくさんかくため、体は水分不足(脱水症状)になりがちです。
- 脱水を防ぐため、意識して水分を摂りましょう。
- おすすめの飲み物
(経口補水液、スポーツドリンク、麦茶、湯冷まし、具のないスープなど。 一度にたくさん飲むのではなく、こまめに少しずつ与えます。)
3.消化の良い食事
- 高熱で食欲がないことも多いですが、体力をつけるために、食べられるものを口にしましょう。
- 食欲がない時は無理に食べる必要はありません。まずは水分補給を優先してください。
- おすすめの食べ物
(おかゆ、うどん、ゼリー飲料、プリン、アイスクリーム、すりおろしたりんごなど。胃腸に負担がかからない、消化の良いものを選びましょう。)
家族にうつさないための隔離と消毒の徹底
インフルエンザは、くしゃみや咳で飛び散り、部屋に漂うウイルスを吸い込む「飛沫感染」と、ウイルスが付いた手で目や鼻、口を触る「接触感染」で広がります。 大切なご家族にうつさないために、家庭内での感染対策を徹底しましょう。
部屋を分ける | 可能であれば、患者さんは個室で過ごし、換気をこまめに行いましょう。 |
マスクをつける | 患者さんはもちろん、お世話をする人もマスクを着用し、こまめに取り替えましょう。 |
こまめに手を洗う | 石けんと流水で丁寧に手を洗いましょう。アルコール消毒液の利用も効果的です。 |
部屋の換気をする | 1〜2時間に1回、5分程度、対角線上にある窓を開けて空気の通り道を作りましょう。 |
共用を避ける | タオル、食器、歯ブラシなどは患者さん専用のものを用意しましょう。 |
こまめに消毒する | ドアノブ、電気のスイッチ、リモコンなど、皆がよく触れる場所を消毒しましょう。 |
ゴミは密閉する | 鼻をかんだティッシュなどはビニール袋に入れ、しっかり口を縛って捨てましょう。 |
これらの対策が、家庭内での感染拡大を防ぐことにつながります。
いつから学校へ?出席停止期間の明確な基準
インフルエンザになったら、周りの人にうつさないために一定期間休む必要があります。
お子さまの場合、「学校保健安全法」という法律で出席停止の期間が決められています。
学校の出席停止期間の基準
発症した後5日を経過し、かつ、解熱した後2日(幼児にあっては3日)を経過するまで |
この基準は、「熱が下がっても、体の中にはまだウイルスが残っている」という事実に基づいています。 自分では元気になったつもりでも、他の人にうつしてしまう力があるのです。少し複雑なので、具体例で見てみましょう。(※発症した日を0日目と数えます)
(例)日数の数え方
月曜日(0日目) | 38度の熱が出て発症 |
火曜日(1日目) | |
水曜日(2日目) | 熱が下がる(解熱) |
木曜日(3日目) | 解熱後1日目 |
金曜日(4日目) | 解熱後2日目 |
土曜日(5日目) | 発症後5日目 |
日曜日(6日目) | 登校が可能 |
この場合、「発症後5日」と「解熱後2日」の両方の条件を満たす必要があります。 そのため、登校できるのは日曜日からということになります。
大人の場合、法律での明確な決まりはありませんが、多くの職場でこの基準に準じています。
無理な出勤は感染を広げる原因になりますので、会社の規定を確認し、上司に相談しましょう。
重症化を防ぐための予防法と、知っておきたいリスク
インフルエンザは、多くの場合数日で回復に向かう病気です。しかし、時に重い合併症を引き起こし、命に関わる状態になることもあります。
特に、ご高齢の方や小さなお子さま、持病をお持ちの方は注意が必要です。これらの方々は、ウイルスとの戦いが長引き、重症化するリスクが高まります。
しかし、事前にリスクを知り、適切な予防を行うことができれば、重症化の可能性を大きく減らすことができます。 ここでは、重症化を防ぐ方法と、知っておくべき危険な合併症について、詳しく解説します。
ワクチン接種の有効性と推奨される時期
インフルエンザの重症化を防ぐために、最も有効な方法がワクチン接種です。 ワクチンは、体にインフルエンザウイルスと戦うための「予行演習」をさせる役割を果たします。これにより、本物のウイルスが侵入した際に、体の免疫システムが迅速かつ強力に対応できるようになります。
ワクチンの具体的な効果は下記です。
発症の予防 | インフルエンザにかかる可能性そのものを減らします。 |
重症化の予防 | 重症化の予防 |
米国の小児科学会(AAP)の報告によれば、ワクチン接種は高い効果を示します。 インフルエンザによる子どもの死亡リスクを65%も低減させることがわかっています。 また、入院が必要になるほどの重症化を防ぐ効果も60%以上あるとされています。ワクチンは、あなた自身だけでなく、家族やまわりの大切な人を守るための重要な手段なのです。
ワクチン接種に最適な時期 インフルエンザワクチンは、接種してから効果が現れるまでに約2週間かかります。 日本のインフルエンザは例年12月から3月にかけて流行します。 そのため、流行が本格化する前の10月から11月中旬までに接種を終えるのが効果的です。
日常生活で免疫力を高める基本的な生活習慣
ワクチン接種とあわせて、日頃からウイルスに負けない体づくりをすることも大切です。 体の防御システムである「免疫力」を高めるための、基本的な生活習慣をご紹介します。毎日の少しの心がけが、ウイルスに対する抵抗力を高めます。
習慣の種類 | なぜ大切か?具体的な方法 |
---|---|
バランスの取れた食事 | 免疫細胞が働くためのエネルギーや材料を補給します。 ビタミン、ミネラル、たんぱく質などを好き嫌いなく食べることが重要です。 |
十分な睡眠 | 睡眠中に体はダメージを修復し、免疫細胞を活性化させます。 夜更かしは避け、ぐっすり眠る時間と環境を確保しましょう。 |
適度な運動 | 体の血のめぐりを良くし、免疫細胞が体の隅々までパトロールしやすくなります。 ウォーキングなど、無理のない運動を続けることが大切です。 |
体を温める | 体温が1度下がると免疫力は30%低下すると言われています。 お風呂にゆっくり浸かるなど、体を冷やさない工夫をしましょう。 |
ストレスをためない | 過度なストレスは、免疫の働きをコントロールする自律神経のバランスを乱します。 自分なりの方法で上手に気分転換を図りましょう。 |
これらの習慣は、インフルエンザだけでなく、さまざまな病気の予防につながります。
■命に関わる肺炎やインフルエンザ脳症(IAE)
インフルエンザが本当に怖いのは、「合併症」を引き起こす可能性がある点です。これは、インフルエンザをきっかけに、別の重い病気が起こることを指します。特に注意が必要なのが「肺炎」と「インフルエンザ脳症」です。
肺炎 | インフルエンザウイルスとの戦いで、気道や肺はダメージを受けて弱っています。 その弱った肺に、細菌などが入り込んで炎症を起こすのが「細菌性肺炎」です。 特にご高齢の方や持病のある方は重症化しやすいとされます。 |
インフルエンザ脳症(IAE) | 主に小さなお子さまにみられる、非常に重い合併症です。インフルエンザウイルスに対する体の免疫反応が暴走し、脳にまでダメージを与えてしまいます。米国の専門機関の報告では、インフルエンザで入院した子どもの約8%から11%が、何らかの神経系の合併症を経験したとされています。 |
ワクチン未接種の小児における重症化リスクの高まり
小児は、大人に比べて体力や免疫機能がまだ発達の途中です。そのため、インフルエンザウイルスに感染すると、重症化しやすい傾向があります。中でも、ワクチンを接種していないお子さまは、そのリスクが高まることがわかっています。
米国の小児科学会(AAP)の調査によると、インフルエンザが原因で亡くなったお子さんのうち、実に90%がワクチンを接種していなかった、または必要な回数の接種を終えていませんでした。この事実は、ワクチンがお子さまの命を守る上でいかに重要かを示しています。
特に、以下のようなお子さまは重症化のリスクが高いため、ワクチン接種が強く推奨されます。
重症化リスクが高い小児の特徴
- 5歳未満、特に2歳未満の乳幼児
- ぜんそくなどの呼吸器の病気を持っている
- 心臓や腎臓、神経系などに生まれつきの病気がある
大切なお子さまをインフルエンザの危険から守るために、ワクチン接種は最も有効な手段の一つです。 接種に関する不安や疑問があれば、遠慮なくかかりつけの医師にご相談ください。
■まとめ
インフルエンザは、普通の風邪とは違う急な高熱や強い全身症状が特徴です。特に、小さなお子さまやご高齢の方は、肺炎や脳症といった命に関わる合併症を引き起こす危険があるため注意が必要です。
「インフルエンザかも?」と感じたら、自己判断せずに医療機関を受診しましょう。発症から48時間以内の受診が治療の鍵となります。
そして何より大切なのが予防です。ワクチン接種は重症化を防ぐ最も有効な手段とされています。
参考文献
- Fazal A, Reinhart K, Huang S, Kniss K, Olson SM, Dugan VG, Ellington S, Budd AP, Reed C, Uyeki TM, Garg S. Reports of Encephalopathy Among Children with Influenza-Associated Mortality — United States, 2010–11 Through 2024–25 Influenza Seasons.
- American Academy of Pediatrics Committee on Infectious Diseases. Recommendations for Prevention and Control of Influenza in Children, 2025–2026: Technical Report.
- Xie Y, Wang N, Choi T, Al-Aly Z. Cases, Hospitalization, and Mortality in COVID-19 and Influenza Among Veterans in 2022-2025 Influenza Seasons.